古流探究録 『受流』

英(はなぶさ)です。
今回もブログをご覧いただき、ありがとうございます。

本日は――
古流探究録 正座の部六本目 『受流』

六本目 受流


■ 理合(原文)

我が左寄りの正面より頭上斬り付け来たる敵の刀を左に受け流し、
直ちに左に変体して敵の首を切り落として勝の意なり


■ 動作(要点整理・口語訳)

① 正面よりやや右斜め(約15度)に向いて座る。※注1

② 柄に手を掛け、腰を浮かせながら刃を上にして抜きかけ、中腰となる。左足を右前方(正面より約90度右)へ踏み込む。(同時に)
この時、上体は真っ直ぐ、刀は水平。切先三寸まで抜き出す。

③ 右足を左足の一歩後方へ進めながら振りかぶる。
鍔元は右耳の上方、刀は前額部と左肩を結ぶ斜線上。
体はやや左向き、右爪先もやや左へ向ける。

④ 刀の差し表で敵刀を受け流す。
振りかぶった位置から、刀先を左肩後方へ半円を描く心持ちで体を回しながら流す。

⑤ そのまま諸手上段に振りかぶり直し、
左足の位置でつま先を左斜方(敵が流れた方向)へ転じる。
右足を踏み揃えると同時に中腰で、敵の首から肩口へ深く切り下ろす。
(左手は振りかぶり途中で諸手となり、真直に打ち下す)

⑥ ゆっくりと左足を一歩退き、物打ちを右膝頭上にななめ前へ突き出して血振い。

⑦ 右手を逆手に取り替え、刀を振り返して鯉口へ。
体を右に向き直りながら納刀し、左膝を跪くと同時に納め終える。※注2


■ はなぶさ 解説

制定居合3本目にも同様に「受流」がありますが、古流の受流は似て非なるものと考えるべきやと思います。

ここではあえて制定居合3本目の受け流しについては触れません。

※注1(動作①) 正面よりやや右斜め(約15度)に向いて座る。 

現代居合の感覚では45度ではないかと思うかもしれません。私も誤記ではないかと井村先生に尋ねてみました。(井村先生)誤記ではなくそれが正しい。稽古の過程で角度を調整する必要があるとのこと。

敵は自身の左側から攻めてくるが、不意打ちとは言え、側面もしくは後方から斬りかかってくることは考えにくく、正面ないしは左斜めから切りかかってくると想定すべきであり、15度か45度かは稽古の過程で修練しなければならない問題である。

(動作②)左足を右前方(正面より約90度右)へ踏み込む。過程を考えると想定を45度とするよりも15度と想定する方がより体の変換が必要となる分だけ、難易度は上がると考えるべきなのかもしれない。

問題は想定する敵の位置であって、座る角度はあまり重要じゃないのかもしれませんが、45度で稽古して、できるようになれば15度で稽古するのもありかもしれません。

※注2(動作⑦)体を右に向き直りながら納刀。受流の納刀には2通りあって、その場で納刀する方法と納刀する際に右に身体をひねり正面で終わる方法があります。啐啄会では後者、正面で終わる納刀を稽古しています。この辺りは道場の師範の先生の指示に従ってください。

居合を始めた時に見た受流に衝撃を受けたことを今でも覚えています。英信流では音を立てることが少ないですが、受流のト、トンという音が妙に癖になる業です(笑)

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