古流探究録 『附込』

英(はなぶさ)です。

いよいよ卒業式の季節ですね🌸

実は明日、子どもの小学校で祝辞を述べることになっています(笑)。
未来ある子どもたちの門出を、心から祝福したいと思います。

さて――

今日は 古流探究録 第八本目『附込』 をお届けします。

この業は、正座の部の中でも動きが大きく、見栄えのする技です。
そのため初心者にも人気があり、稽古でもよく目を引く一本と言えるでしょう。

8本目 『附込』


■ 理合(原文)

吾が正面より斬り込み来る敵の刀を一歩後に退きて外し(敵刀を摺り落とす気分にて)                                     第一撃にて不十分なりしため、敵後退するを直ちに追撃して勝の意なり。


■ 動作(要点抜粋・口語訳)

① 正面に向かって正座する。

② 刀を抜きかけながら右足を半歩前へ踏み出し、刃を上にして右斜前へ半ば抜く。

③ 立ち上がると同時に右足を左足へ踏み揃え、刀を頭上から左肩を囲むように高く抜き払い、敵の刀をはずす。

④ そのまま諸手上段に振りかぶる。

右足を大きく踏み込み、中腰でやや高い位置から斬り下ろす(第一刀)。

⑥ 直ちに再び諸手上段に振りかぶる。

⑦ 再度右足を大きく踏み込み(左足継ぎ足)、腰を落として深く斬り下ろす(第二刀)。

⑧ 右足を大きく一歩退きながら上段に構え、残心を示す。

⑨ 右膝を下ろして跪き、静かに刀を下げて正眼に構える(残心を保つ)。

⑩ 剣先を動かさぬように注意しつつ、右手を逆手にし、柄を握る

⑪左手を柄からはなし、鍔を受けるよう下から添える(この時、剣先をうごかさない!)

⑫右手を右肩前に引き、左のてのひらで刀の棟をするようにして、血振りを行う。

左手を鯉口にとり、刀の先を左に回して納める。


■はなぶさ 解説

抜き付けから第一刀まで(動作①~⑤)

右足を半歩踏み出し、敵の刀をすらしたうえで上段に振りかぶります。

理合には
「正面より斬り込み来る敵の刀を一歩後に退きて外し」
とあります。

つまり、ただ受け流しのように受けるのではなく、

敵の攻撃をいなし、

体勢を崩させ、

その瞬間を逃さず切り込む、

これが付込の本質になります。

第一刀の体勢は、基本的にやや高め。
切先は首(教本では胸と表記)を目安にします。

教本だと「胸」とありますが、
現代居合の感覚では低い気がしますね

第一刀から残心まで(動作⑥~⑧)

第一刀の後は間を置かず、再度大きく踏み込み、腰の位置まで深く斬り下ろします。

この場面で初心者は姿勢が崩れやすく、特に前傾姿勢になりがちです。

右足を大きく踏み出した際、
揃える左足のかかとを浮かせることで、前傾になるのを防ぐことができます。

斬り終えたあとの残心は、迷わず素早く行うことが大切です。

残心から納刀まで(動作⑨~⑬)

右膝を跪き、右手を逆手に持ち替えます。
この時、刀を上下させないよう注意します。

英のコツは、
右手を鍔に密着させること。

これにより安定性が格段に増します。

左手に唾を添えたまま、右手を後方に退きながら血振りを行います。

この時、鍔を180度回し切ってから、後方に引くことで業にメリハリが出来ます。

納刀では、先に左手を鯉口へ取ります。
ここが最も難しい部分です。

一般的には、左手を刀に添えたまま納刀する形が多いですが、
教本では、先に左手を鯉口にかけてから納刀するとされています。

ゆえに、啐啄会の稽古では先に鯉口に左手をかけてから納刀しています。

付込は最後まで気が抜けませんね


■ はなぶさ流 探究録

『附込編』どうだったでしょうか?

ボリュームが多くて読むのが大変ではなかったですか?

ここまで読んでもらえたら居合もかなり上級者、一つ質問させてください。

附込とは何か?

敵の一撃をいなす業

後方に退く敵を追撃する業

考え方は人それぞれです。

ただ――

形をなぞるだけではなく、
理合を見つめ、動作を修練していく。

その先にこそ、
業の本質が見えてくるのではないでしょうか。

皆さんは、どう思われますか?

『附込編』めちゃくちゃ大変でした。次回は9本目『月影』です。