制定居合研究会~3本目~受け流し

三本目『受け流し

左横に座っている敵が、突然、立ちあがって切り下ろしてくるのを「鎬」で受流し、さらに袈裟に切り下ろして勝つ。

イラストだけではわかりにくいので注釈を入れて解説します。

正面から右に向かい正座します。

隣に座っている敵が立ちあがり刀を抜いてくるので、素早く柄に手を掛け、相手の攻撃に備えます。この時、左足だけを立て、刀は胸元近くに引き寄せます。

右足をを左足の内側に踏み込んで敵の打ち下ろした刀を受流す。

右足を図のように左足に垂直になるように寄せて相手の攻撃を受流す。

すぐさま、左足を引き袈裟に切り下す。

イラストだと、足をそろえているようにも見えますが、制定居合は両足を離して斬り下します。いずれ、解説しますが、英信流(古流)の受け流しは両足をそろえます。

右手を一度柄から離し、上から逆手に持ちかえる。

左手は柄から離し、鯉口を握る。

逆手による納刀は制定居合では3本目だけですが、英信流(古流)では正座之部(6本目受け流し、7本目介錯、8本目附込)で出てきます。

受け流しは制定居合の中でも難しく、習得には時間がかかる技です。また古流になると正座之部と立業之部、二人一組で行う太刀打ちでも6本目に『受け流し』が入っており、居合道にとって重要な技であることは間違いないです。

イラストについては新紀元社の『剣技・剣術説』(牧秀彦著)を参照しています。